・「観光マーケティングを推進する方法が知りたい」
・「そもそも観光マーケティングとはなにか、きちんと学びたい」
など、観光マーケティングについて詳しく知りたいと考えている方も多いでしょう。
観光マーケティングを重視する動きが広まりつつある背景には、新型コロナウイルスの流行拡大による観光業界への大きな影響があります。アフターコロナの時代になりつつある昨今、緊急事態宣言の解除、ワクチン接種の浸透により、観光需要にも少しずつ動きが見えてきました。
新しい生活様式を実践する中で、レジャーに対する人々の意識にも変化が起きています。マイクロツーリズムやおうち時間、おこもりステイなど、身近な場所で気の合う人とゆっくり過ごす時間の豊かさが再認識され、観光事業者は需要変化への対応が求められているのも現状です。
観光業界としては従来のやり方を見直さなければならないのと同時に、人々のニーズに合わせて新たな魅力あるプランを打ち出す必要があります。そこで本記事では、観光事業者向けの予約管理システム「JTB BÓKUN」を提供する弊社の知見をもとに、観光マーケティングとはなにか、実施するためのヒントについて解説します。
また、観光マーケティングにおいて、発想の転換が求められている今だからこそ読んでおきたい観光・マーケティング関連の本もピックアップしていますので、ぜひ参考にしてください。
出典:観光庁
観光マーケティングとは、観光客のニーズをリサーチして、他の地域ではなく自地域に足を運んでもらうために実施する施策全般を指す言葉です。
一般的な企業のマーケティング活動とは異なり、地域の魅力発掘や体験プランの創出などにより、地域全体を通じた魅力の発信が求められます。
地域の魅力を再発見したり、魅力的な店舗の誘致を行ったりして、地域全体を挙げたマーケティング活動を実施する点が特徴です。
新型コロナウイルスの流行前にあたる2019年度の日本人国内旅行者による旅行消費額は、約22兆円でした。しかし、2020年度には約10兆円にまで半減しています。
政府による「全国旅行支援」が実施された結果、2022年度には復調の兆しを見せ、2023年度にはコロナウイルス流行前の水準にまで回復しました。
現在では、旅行消費額に関しては、ほとんどコロナウイルス流行前の水準と同等になっています。しかし、以前よりも感染症対策を重視する、ごく身近な人と近場での旅行を楽しむなどの需要の変化が起きていることは事実です。
観光マーケティングを実施するには、顧客の立場で旅先を認知してから実際に消費するまでの「カスタマージャーニー」を意識することが大切です。
旅行者のカスタマージャーニーでは、旅行前を「旅マエ」、旅行中を「旅ナカ」、そして旅行後を「旅アト」として、それぞれのタイミングに合わせた施策を実施します。
旅マエは、SNSやOTAを活用して、観光マーケティングにおいて旅行者が情報収集を行う段階です。この段階の旅行者に対しては、魅力的な情報発信と、ターゲット層にマッチする媒体の活用がカギとなります。
OTAとは、「Online Travel Agency」の略称で、インターネット上で旅行の手配を完結できる旅行代理店のことです。たとえば、楽天トラベルやじゃらんなどが挙げられます。旅先として選んでもらえるよう、旅行者にアプローチしていきましょう。
関連記事:OTAとは?訪日外国人観光客の集客に欠かせない海外OTAの種類とメリット
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旅ナカの旅行者に対して観光マーケティングを通じてアプローチするときは、旅行中の消費につなげることが重要です。具体的には、旅行先で宿泊や観光・体験、ショッピング・食事など、さまざまな行程を提供できるようにすると良いでしょう。
旅ナカの選択肢を充実させるのは、周遊してもらうことを目的としています。周遊を通じて消費を喚起したり、周遊したいスポットを増やしたりしていきましょう。訪れたいスポットが増えれば、滞在日数が伸びる場合もあります。
一方で、周遊できるスポットがないと、他地域へ流れてしまう可能性があるため、地域全体を挙げた観光マーケティングに力を入れることが大切です。
旅アトは、旅行者が旅の思い出を振り返る段階です。旅行後にSNSで発信してくれる場合もあるので、魅力的なフォトスポットの設置・案内を充実させ、積極的に投稿を呼びかけましょう。
SNSの投稿を見たほかのユーザーが、投稿を見たことがきっかけとなって旅行に来てくれる可能性があるためです。
また、旅行者によっては繰り返し同じ場所に旅行しに来てくれる場合もあります。SNSでの発信につなげるだけでなく、リピーターを獲得するためにも、「また行きたい」と思ってもらえるような魅力的なスポットやプランの創出も行いましょう。
ここからは、アフターコロナの観光業界におけるマーケティング活動に役立つ本を紹介します。まずは、コロナウイルス流行後の新しい生活様式に関する書籍です。
コロナ禍による生活様式の変化から急速に発展したオンライン・バーチャル・リモート・デリバリー。これまでの対面・集会型からの転換で新たに生まれたビジネス例を多数紹介しており興味深い。読んでいると、対面でなければ絶対に不可能と思っていたものが意外にバーチャルと相性が良かったりすることに気づかされる。これからのビジネス展開のヒントが詰まった一冊。
項目 | 値 |
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著者 | 原田 曜平、小祝 誉士夫 |
出版社 | ディスカヴァー・トゥエンティワン |
出版日 | 2021/7/16 |
ISBN | 978-4799327432 |
ジャンル | ニューノーマル |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/4799327437 |
アフターコロナのインバウンド需要に関する本を2選紹介します。
インバウンド客の流入が失われた今、経済的損失が日本の旅行業界を直撃している。かつてオーバーツーリズムという極端な状態を経験しているからこそ、慎重な回復策が必要と著者は訴える。観光客のニーズの変化を受容し新たな発展を遂げたイタリアの例から観光再生の戦略を探る。
項目 | 値 |
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著者 | 宗田 好史 |
出版社 | 学芸出版社 |
出版日 | 2020/11/14 |
ISBN | 978-4761527501 |
ジャンル | インバウンド・観光再生 |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/4761527501 |
世界最大級の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」でエクセレンス認証を5年連続獲得した「富士箱根ゲストハウス」。70数カ国から10万名を越える外国人を受け入れてきた経験からリピーター獲得の極意を伝授。外国人観光客を赤の他人ではなく遠来の友人のように受け入れ、「ありのままの日本」の魅力を伝えるもてなしに重きをおいてファンを増やした富士箱根ゲストハウスは、体感型旅行へのシフトを早くから実践してきた成功例と言えるだろう。
項目 | 値 |
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著者 | 高橋 正美 |
出版社 | あさ出版 |
出版日 | 2017/4/21 |
ISBN | 978-4860638986 |
ジャンル | インバウンド |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/4860638980 |
ここでは、アフターコロナの観光業界の中でも地域再生に関する書籍を紹介します。
巨大化しすぎた観光産業はオーバーツーリズムという都市問題を生むことになった。欧州・国内計8都市の例から、過度な観光地化により消費されるのではなく、地域が主権を持ち住民の生活とのバランスが取れた持続可能な観光戦略の可能性を示す。
項目 | 値 |
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著者 | 阿部大輔 編著 / 石本東生・江口久美・岡村祐・西川亮・沼田壮人・後藤健太郎 著 |
出版社 | 学芸出版社 |
出版日 | 2020/12/19 |
ISBN | 978-4761527600 |
ジャンル | サステナブル・都市再生 |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/4761527609 |
ここでは、観光マーケティングの中でもブランディングに特化した本を2選紹介します。
玉造温泉街の再生物語を、まるでその場にいるかのように追体験できる本。ないものねだりをせず、あるものに目を向けるという姿勢で、地域の観光資源を大切に磨き上げていく。地域発信の観光モデルが町に活気を与え、住民が一体になってまちづくりに参加する循環が生まれている。
項目 | 値 |
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著者 | 角 幸治 |
出版社 | GOEN出版 |
出版日 | 2021/6/26 |
ISBN | 978-4910539010 |
ジャンル | ブランディング |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/B097827519 |
作品内で描かれた実在の場所を訪れる「アニメ聖地巡礼」は、近年は観光行動の一つとして年々市場を拡大している。一般的な観光と違う点があるとすれば、観光地でも何でもない場所が、作中の背景に登場することによって突然「聖地」として有名になってしまうことだ。本書では、コンテンツをきっかけにPRや集客に結び付けるなど、観光資産化することで地域活性化につなげる可能性を示している。
項目 | 値 |
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著者 | 岡本 健 |
出版社 | KADOKAWA |
出版日 | 2018/12/8 |
ISBN | 978-4040822594 |
ジャンル | コンテンツツーリズム |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/4040822595 |
ここでは、ソーシャルメディア(SNS)を活用した観光マーケティングに関する書籍を紹介します。
江戸時代からの風情が観光客を引き付けてきた浅草。しかしかつては、来訪者の情報へのアクセス手段が制限されたクローズドなコミュニティだった。浅草の広報に関わることになった筆者は、インターネットやソーシャルメディアでの情報発信を開始。サービスごとの役割・特性を活かした施策で世界に浅草の魅力を発信することに成功。SNSを活用したインバウンド獲得のための浅草の取り組みを知ることができる一冊。
項目 | 値 |
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著者 | 飯島 邦夫 |
出版社 | 金風舎 |
出版日 | 2015/10/20 |
ISBN | 978-4903628165 |
ジャンル | インバウンド・ソーシャルメディア |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/4903628167 |
ここでは、商品や施策の企画立案に役立つ本を紹介します。
定番の観光地のみにとどまらず、工場夜景や軍艦、怪談ツアー、ニューハーフショーまで多様なプランを展開するはとバス。しかしバブル以降は利用者が現象、2001年には51万人と最盛期の半分以下まで落ち込み、そこからV字回復しているのだ。はとバスに観光客を呼び戻した個性的な企画はどうやって生まれたのか。企画担当の発想力とヒットの秘密に迫る。
項目 | 値 |
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著者 | 江沢 伸一 |
出版社 | 潮出版社 |
出版日 | 2013/10/5 |
ISBN | 978-4267019555 |
ジャンル | 企画・アイディア |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/426701955X |
ここでは、観光マーケティングの中でも「まちづくり」に関する本を2選紹介します。
とにかく人に来てもらうことを最重視していた従来の観光戦略は、格安の団体旅行やお金をかけて行うイベントで一時的な来訪者数を増やしても、地域経済にお金は回らず地域が疲弊するばかり。著者は、人々の関心がモノからコトへと移り変わっている時代において、物見遊山的な観光から体験型へのシフトや、観光コンテンツをプログラム化して地域へお金が落ちる仕組みを作ることを提唱。観光業を持続可能な事業として育てるための具体的なアイディアを示したガイド。
項目 | 値 |
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著者 | 大羽 昭仁 |
出版社 | 宣伝会議 |
出版日 | 2018/10/11 |
ISBN | 978-4883354443 |
ジャンル | まちづくり |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/488335444X |
出版年は2008年。旅行者のニーズが多様化し、旅行業界がマスツーリズムから個人型へ転換、さらにインターネットの普及が追い風となって着地型観光が飛躍的に増加した時期だ。旅行者の「体験」へのニーズの高まりと、地域と共存する観光の必要性は現在の状況とよく似ている。着地型観光の企画運営で20年の実績をもつ著者のノウハウは、今読んでも学ぶところが多い。
項目 | 値 |
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著者 | 大社 充 |
出版社 | 学芸出版社 |
出版日 | 2008/6/30 |
ISBN | 978-4761512460 |
ジャンル | まちづくり |
購入先 | https://www.amazon.co.jp/dp/4761512466 |
今回は、観光マーケティングとはなにか、実施方法や知識を身に付けるうえで役立つ観光・マーケティング分野のおすすめ本を紹介しました。新しい生活様式下で、新たなサービスが求められる時代。それは言い換えれば、これまでとはまったく違うビジネスが生まれるチャンスでもあります。
観光マーケティングでは、国内旅行者だけでなく、訪日インバウンド集客を目的として実施するケースも少なくありません。複数のOTAを活用すれば、多くのターゲット層にリーチできる反面、予約管理が煩雑になるため負担が増えるデメリットもあります。
そこでおすすめなのが、予約管理システム「JTB BÓKUN」の活用です。JTB BÓKUNなら、海外OTAや自社サイトからの予約情報をシステム上で一元管理できます。リアルタイムに在庫状況が反映されるため、在庫調整に時間を要したことが理由で、ダブルブッキングが発生する心配もありません。
また、観光事業者同士がマッチングできるマーケットプレイスも利用できるため、コラボイベントの実施や新たな体験コンテンツの創設ができるのも特徴です。
JTB BÓKUNについて詳しくは、以下の資料を参照ください。
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JTB BÓKUN 説明資料
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