・ 「タビナカという言葉は聞いたことはあるが、しっかり理解できていない」
・ 「タビナカだけでなくタビマエ・タビアトについても理解してインバウンド需要を取り込みたい」
この記事は上記のお悩みを持つ方に向けて執筆をしております。
近年、観光業ではタビマエ・タビナカ・タビアトの3段階に分けて、アプローチをしたり集客施策を打ち出したりする考え方が広まりつつあります。
では、観光業で訪日インバウンド集客を視野に入れている場合、具体的にどのような施策をどのタイミングで実施すれば良いのでしょうか。
本記事では、観光事業者向けの予約管理システム「JTB BÓKUN」を提供する弊社の知見をもとに、「タビマエ・タビナカ・タビアト」それぞれのタイミングに効果的な施策の実施方法を解説します。
タビナカとは、旅行中を意味する観光用語です。宿泊や観光地での飲食のほか、体験・アクティビティへの参加・お土産購入など、旅行中のさまざまな消費活動を指す言葉として使用されています。
旅行中を指す言葉が「タビナカ」なのに対し、旅行前を「タビマエ」、旅行後を「タビアト」と呼ぶのも特徴です。
それぞれの段階ごとに旅行者の行動が異なるため、どのタイミングでどのようなアプローチをしていくかが、インバウンド旅行者にかぎらず国内旅行者の集客・販促においても重要になります。
とくにタビナカは、施策次第で旅行者の消費額が増えたり、滞在期間が伸びたりするので、積極的に施策を打ち出していきましょう。
ここからは、国内旅行者・訪日外国人観光客の行動について、タビマエ・タビナカ・タビアトの3段階に分けて解説します。
また、それぞれの段階ごとにどのようなアプローチをしていくと良いのか、どのような施策が旅行者の行動を変化させるのか、という点も確認していきましょう。
タビマエは、旅行の計画を立てながら情報収集を行う段階のことです。旅行先の選定が行われるため、地域や観光地・体験・アクティビティなどで魅力を訴求すると良いでしょう。とくに、目を惹きやすい写真や動画を利用して、視覚的に訴求する方法がおすすめです。
また、訪日外国人観光客を集客したい場合には、OTAを活用することで効果が見込めます。
関連記事:【観光事業者向け】国内OTAの特徴と一覧
関連記事:OTAとは?訪日外国人観光客の集客に欠かせない海外OTAの種類とメリット
タビナカは、旅行中の段階です。実際に消費行動を行っているため、すでに宿泊先の予約やある程度の行き先は絞り込まれています。一方で、タビナカの段階でも、空き時間にできる体験・アクティビティを探していたり、飲食店を探したりするケースは少なくありません。宿泊施設や移動手段はタビマエで決定しているケースが多い反面、立ち寄り先に関しては追加・変更の余地が発生しやすいので、消費を取り込める可能性があります。
タビアトは、旅行を終えて帰宅後に旅行の思い出を振り返る段階です。この段階でお土産を配布したり、SNSに投稿したりする旅行者も多くいます。お土産の配布やSNSへの投稿は、宣伝につながる可能性が高いのも特徴です。タビアトの宣伝効果を引き出すには、タビナカでの行動を意識して、フォトスポットやフォトブースの設置を行うと良いでしょう。また、写真映え(インスタ映え)するご当地商品の開発を行っておくのも効果的です。
訪日外国人観光客をターゲットに集客を行う際、タビナカにおける施策実施のポイントは以下の4項目です。
・ 周遊スポットを整備する
・ 多言語表示・多言語音声ガイドを導入する
・ Wi-Fi環境を整備する
・ MEO対策や宿泊施設窓口での情報提供を実施する
それぞれ具体的な施策の例や、なぜこれらのポイントが重要なのか、意識すべき理由について解説します。
タビナカの施策では、周遊スポットを整備することがポイントです。飲食店、体験・アクティビティスポット、観光スポット、土産物店などが複数あると周遊につながります。複数の事業者で連携を図るのも良いでしょう。たとえば、着物着付け+食べ歩き、体験・アクティビティ+プロによる写真撮影など、非日常を体験できる周遊プランの創出がカギとなります。
タビナカの施策において、多言語表示・多言語音声ガイドで訪日外国人観光客が周遊しやすい環境を整えることも重要です。観光スポットであれば、有料で多言語対応ができるガイドを配置するのも良いでしょう。
訪日外国人観光客は、タビナカでもつねにさまざまな情報収集を行っています。情報収集の手段はスマホが用いられることが多いため、Wi-Fi環境を整えて、訪日外国人観光客が情報収集しやすい環境を提供しましょう。地域全体で、無料のWi-Fiエリアを整備するのも効果的です。
タビナカの施策において、情報収集を行っている訪日外国人観光客に対し、自社のサービス情報が届かないと集客にはつながりません。たとえば、地図検索で自社情報を上位表示させるMEO対策(マップエンジン最適化)に取り組んだり、宿泊施設の窓口で情報提供を行ってもらったりすると良いでしょう。また、看板や案内表示で迷わずにたどり着けるようにするのも大切です。
タビナカの集客・販促施策を実施する際の注意点は、以下の3項目です。
・ 地域を挙げて取り組む
・ 予約を直前まで受け付ける
・ タビアトを意識した施策を実施する
それぞれ、なぜこのような点に注意が必要なのか、意識しておくべき理由について解説します。
タビナカの集客・販促施策の注意点として、地域を挙げて取り組まなければ効果が小さくなる懸念があります。単一店舗や施設で集客・販促施策を行っても、海外から足を運んでもらえるとはかぎりません。地域を挙げて取り組み、周遊スポットが増えることで、滞在期間が伸びて消費額も増える仕組みです。
体験・アクティビティの事業者、宿泊施設、飲食、土産物店など、幅広い業種で取り組みましょう。また、業種の垣根を超えた周遊パス(クーポン券)やエリアマップの作成、店舗・施設感で相互に広告掲示を行うなど手段は多岐にわたります。また、自治体と協力して取り組んでいる地域もあるため、自治体に協力を仰いでみるのも選択肢の一つです。
タビナカの訪日外国人観光客は、旅行中に体験プランや観光スポット・飲食店などを探しているケースも少なくありません。予約時間の直前まで受け付け時間を伸ばすことで、このようなタビナカの需要を取り込めるでしょう。「今体験できるプラン」、「今食事ができる場所」を探している訪日外国人観光客を集客でき、収益機会の拡大につながります。ただし、複数の予約媒体を利用している場合は、ダブルブッキングに注意が必要です。
タビナカにおける訪日外国人観光客に向けて集客・販促施策を実施する際は、タビアトを意識した施策の実施が重要です。たとえば、「インスタ映え」スポットの設置や、写真スポットの案内表示などを行い、積極的にSNSに投稿してもらうと良いでしょう。また、写真を投稿したくなる商品(飲食・お土産など)や、日本ならではの体験プランを開発するのも効果的です。
タビナカの集客は、施策の実施次第で予約数が大きく変動します。とくに、訪日外国人観光客に対してアプローチするのであれば、訪日外国人観光客が情報収集や予約に利用している海外OTAを活用することが欠かせません。海外OTAとは、ViatorやGetYourGuideなど、オンライン上で旅行予約ができる旅行代理店のことです。国内のOTAでは、楽天トラベルやじゃらんなどが挙げられます。
幅広い国の訪日外国人観光客にアプローチするには、複数の海外OTAを利用することが大切です。しかし、公式サイトや複数の海外OTAから入る予約を管理するのは、業務負担も大きくなりやすい懸念があります。そこでおすすめなのが、「JTB BÓKUN」の活用です。
JTB BÓKUNは、公式サイトからの予約に加え、Viator・GetYourGuideを含む世界各国20社以上の海外OTAと接続できるため、予約管理を一元化できます。予約状況や在庫がリアルタイムに反映されるため、手作業ですべての媒体の在庫量調整一つずつ行う必要がありません。ダブルブッキングの回避につながることから、体験受付時間の直前まで予約を受け付けられます。
また、JTB BÓKUNは、数千社以上ある事業パートナーとのマッチングが可能な「マーケットプレイス機能」が備わっているのも特徴です。さまざまな事業者と連携し、タイアップツアーやコラボ商品の創出など、新たなアイデアも商品化できます。
JTB BÓKUNの機能や特徴について、詳しくは以下の資料を参照ください。
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