OTAとは?訪日外国人観光客の集客に欠かせない海外OTAの種類とメリット
更新日:2024.12.04
初稿:2021.08.05
・「OTAについて詳しく知りたい」
・「OTAを使うことでどのような効果、メリットがあるのかわからない」
など、OTAとはなにか、利用すべきなのか悩んでいる方も多いでしょう。また、国内のOTAを導入していても、海外OTAは導入できていないという事業者の方もいるのではないでしょうか。
OTAの活用は、国内旅行者だけでなく、訪日外国人観光客(インバウンド)の集客にもつながる重要な施策の一つです。
本記事では、インバウンド対策支援サービスの「JTB BÓKUN」を提供する弊社の知見から、OTAとはなにか、訪日外国人観光客の集客を成功させるための海外OTA活用ノウハウについて解説します。 また、利用者の多い海外OTAを7選紹介していますので、ぜひ導入を検討する際の参考にしてください。
OTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)とは?国内・海外OTAの違い
OTAとは、「Online Travel Agency」(エージェントの表記は誤り)の頭文字をとった略語です。2000年以降にインターネットの急速な普及と共に発展してきた、オンライン上で旅行に関する手配を完結させる旅行会社のことを指します。
世界中の膨大な商品を、24時間365日どの場所、どのディバイスからでも数クリックで手配できるため、その利便性から利用者数が拡大傾向です。
従来型の旅行会社は、旅行に関する手厚い相談ができる実店舗も存在しますが、OTAにはこれらの実店舗が存在しないという違いがあります。しかし、統一された明確な定義も存在しないため、一部では従来型の旅行会社のオンラインサイトもOTAと表現されることがあるのも特徴です。
国内OTAと海外OTAの違いは、集客するターゲットにあります。 国内OTAは、日本国内の顧客向けに提供されているOTAです。じゃらんや楽天トラベルなどの事業者が挙げられます。 一方で、海外OTAは、訪日外国人観光客の集客に活用できる点が特徴です。具体的な海外OTAについては記事の後半で紹介しているので、ぜひご参考ください。
訪日外国人観光客(インバウンド)のOTA利用率
一般社団法人日本旅館協会が行った「令和 4年度 営業状況等統計調査」によると、令和3年度における訪日外国人観光客のうち、45.3%がOTAを経由して旅行プランや宿泊施設の予約を行っていることがわかりました。令和元年には約30%だったことから、利用率が伸びていることがわかります。
参照:一般社団法人日本旅館協会「令和 4年度 営業状況等統計調査」
約半数に上るOTAの利用率からもわかるように、OTAは訪日外国人観光客の集客において欠かせない手段の1つです。
海外OTAの3つの分類
OTAは、取り扱う旅行商品により、大きく3つに分類できます。
海外OTAの系統 | 代表的なサービス | 取扱商品 |
---|---|---|
総合系 | booking.com | 宿泊や航空券の手配から、アクティビティの予約、旅行保険まで網羅 |
アクティビティ系 | Viator・Get Your Guide | 体験・アクティビティ商品の予約に特化 |
民泊系(CtoC) | Airbnb | 個人宅の宿泊を仲介 |
また、厳密にはOTAには含まれませんが、キーワードやエリアなどの条件を入力することで、複数のOTAを横断的に検索できるものもあります。検索結果を1ページ内に統合して比較検討できるようにした、TrivagoやReserve with Googleのようなメタサーチエンジンのことです。海外OTAを利用する際は、それらの違いを理解したうえで、活用するサービスを検討する必要があります。
【地域別】シェア率が高いOTAは?
日本においては、じゃらん.netと楽天トラベルの市場シェアが高いことで知られていますが、世界的には、以下のようなサービスが主流となっています。
・ booking.com|Booking HD
・ expedia.com|Expedia.inc
これら2つのサービスが、世界のOTA市場において多くのシェアを占めています。
2つのグループは、買収したOTAを複数所有しており、それぞれに強みをもつサービスが幅広い地域を補完している点が特徴です。
たとえば、Booking HD の場合、priceline.comが北米、booking.comがヨーロッパ、そしてAgodaは、東南アジアにユーザーを多く抱えています。
観光事業者としてはOTAのシェア率だけでなく、集客したい地域に強みをもつOTAはどこなのかを把握しておくと良いでしょう。
利用者が多い海外OTA7選
以下は、世界市場で有名な宿泊の海外OTAと、体験・アクティビティにおいてシェアをもつ海外OTAの概要を示したものです。
Booking.com(ブッキングドットコム)

出典:Booking.com
Booking.com | |
---|---|
運営会社 | Booking.com B.V. |
概要 | 1996年にオランダのアムステルダムで設立。掲載施設数620万件(民泊を含む)と世界最大級のOTA |
特徴 | 43言語に対応し、リスティング商品は2800万件を誇る。AgodaやPriceline.comを傘下に保有し、連携している |
取扱商品 | 宿泊・航空券・ダイナミックパッケージ・体験・アクティビティ・レンタカー |
掲載施設数 | 620万件(民泊含む) |
手数料 | 15%前後(地域など条件により異なる) |
Expedia(エクスペディア)

出典:Expedia
Expedia | |
---|---|
運営会社 | Expedia, Inc. |
概要 | 1996年にMicrosoft Expedia Travel Serviceとしてアメリカで設立。Booking.comと並ぶ世界最大級のOTA |
特徴 | expedia.comだけでなくHotels.com、Orbitz、Travelocity、Wotif など複数のOTAを運営・連携している |
取扱商品 | 宿泊・航空券・ダイナミックパッケージ・体験・アクティビティ・レンタカー・クルーズ |
掲載施設数 | ― |
手数料 | 15%〜(地域など条件により異なる) |
Agoda(アゴダ)

出典:Agoda
Agoda | |
---|---|
運営会社 | Agoda Company Pte.Ltd. |
概要 | シンガポールを拠点とするBooking Holdingsのグループ企業。タイのプーケットで創業したことからタイではトップシェア |
特徴 | 東南アジアに強みがあり、タイだけでなく、マレーシア、シンガポール、フィリピンの利用者が多い |
取扱商品 | 宿泊・航空券・ダイナミックパッケージ・体験・アクティビティ・レンタカー |
掲載施設数 | 250万件 |
手数料 | 9%(Domestic)〜(地域など条件により異なる) |
世界最大級の体験・アクティビティ専門のOTA Viator(バイアター)

出典:Viator
Viator | |
---|---|
運営会社 | Tripadvisor, Inc. |
概要 | 体験・アクティビティ予約の先駆けといえる世界大手の予約サイト。1995年オーストラリアで創業し、2014年8月にTripadvisor社(本社:アメリカ)の傘下になる。 |
特徴 | 世界165カ国、4,000以上の目的地をカバーし、各国のツアーは約20万件を超える |
取扱商品 | 体験・アクティビティ |
掲載施設数 | 20万件 |
手数料 | 20%〜30%(条件により異なる) |
世界最大級の体験・アクティビティ専門のOTA GetYourGuide(ゲットユアガイド)

出典:GetYourGuide
Get Your Guide | |
---|---|
運営会社 | GetYourGuide GmbH |
概要 | 2009年に設立されたドイツ・ベルリンに本社を置く世界最大級の体験・アクティビティ専門のOTA。ソフトバンクのビジョンファンドからも4億8400万ドル(約530億円)の出資を受けている |
特徴 | 日本語を含む19言語で展開し、世界中で4万件以上のアクティビティ・現地ツアーを提供 |
取扱商品 | 体験・アクティビティ |
掲載施設数 | 4万件 |
手数料 | 25%(条件により異なる) |
アジア最大のOTA Klook(クルック)

出典:Klook
Klook | |
---|---|
運営会社 | Klook Travel Technology Limited(本社:香港) |
概要 | Klookは香港本社のほか、台北、バンコク、シンガポールなど世界主要都市に拠点を構える |
特徴 | 400か所以上の旅行先に100,000を超えるラインナップを揃え、14言語と41種類の表示通貨に対応 |
取扱商品 | 宿泊・体験・アクティビティ |
掲載施設数 | 10万件 |
手数料 | 20%〜(地域など条件により異なる) |
中国最大のOTA Trip.com(トリップドットコム) 旧 Ctrip

出典:Trip.com
Trip.com | |
---|---|
運営会社 | Trip.com Travel Singapore Pte. Ltd. |
概要 | 中国発のOTAでNASDAQにも上場している。2017年から中国国外のブランドをCtripからTrip.comに移行し、運営はシンガポール法人となっている。 |
特徴 | 中国最大のOTAとして訪日中国人観光客の多くが利用している。 |
取扱商品 | 宿泊・航空券・電車・ダイナミックパッケージ・体験・アクティビティ・レンタカー |
掲載施設数 | 140万件 |
手数料 | 15%〜(地域など条件により異なる) |
訪日外国人観光客(インバウンド)集客に海外OTAを利用するメリット
観光事業者が、訪日外国人観光客の集客に海外OTAを利用するメリットは、以下の4点です。
・ 多言語対応できる
・ 収益機会が増える
海外OTAを利用すると、国内OTAだけではアプローチできない、海外の多様なターゲットにアプローチできます。
また、海外OTAは多言語表示に対応しているサービスが多く、日本語で登録すればさまざまな言語に翻訳表示されるため、翻訳の手間もかかりません。
海外OTAを活用すればインバウンド顧客の目に触れやすくなることから、自社のWebサイトのみで発信するのと比べて、認知度向上につながるメリットもあります。
海外OTAでのプラン販売には「JTB Bókun」の活用が便利
JTB BÓKUNは、トリップアドバイザーグループが運営するシステム「Bókun」を、株式会社JTBが日本マーケットに合わせて営業展開しているサービスです。
ViatorやGetYourGuide、Klookなど、さまざまなオンライン予約サイト(OTA)で体験・商品を販売する際に、発生する管理業務を一元化できます。
たとえば、複数のサイト(OTAや自社サイトの予約システム)から予約を受け付けている場合、予約在庫の管理がオペレーションとして業務負荷となる場合もあるでしょう。JTB Bókunを活用することで一元管理ができるようになり、業務効率化・生産性向上を実現することが可能です。
体験・アクティビティ事業者にとって、オペレーションの効率化には欠かせないツールです。日本語でのサポートではもちろん、各事業者様の課題に合わせて解決のご提案をいたします。ぜひお気軽にご相談くださいませ。
JTB Bókunのサービス内容について、詳しくは以下の資料をご覧ください。
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OTAを活用した訪日インバウンド集客ガイド
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